エゾバフンウニ
浜中町(冬・春)
濃厚な甘みとその食感で、ウニは最も人気のあるすし種の一つ。国産ウニの中心はエゾバフンウニとキタムラサキウニ。エゾバフンウニは味も価格も“ウニの頂点“とされ、身は濃いオレンジ色。豊かな香りと甘みを持ち、うま味がすし飯と相まって口中に磯の余韻を残す。一方、キタムラサキウニの身は黄色く、上品でほどよいウニの甘みとコクを楽しめる。北海道産の天然物は、産卵前の夏がもっとも美味しいとされているが、今、首都圏の高級すし店など市場で味と品質が認められ、天然物を上回る評価を得る養殖ウニがある。それが道東・浜中産のエゾバフンウニだ。
森や湿原からのミネラルが海に流れ込む浜中町は海産物に恵まれている。同町は全国有数の生産量を誇る「昆布の町」であり、良質な昆布が育つ海は昆布を餌とするウニにとって最適な環境だ。ウニの味と風味は食べる餌で、当然大きく変わる。設置した養殖かごの中で育てるウニは、徹底した管理のもとうま味成分であるグルタミン酸たっぷりの昆布だけを食べて成長する。
雑食の天然物と違って、身入りがよく、甘みも濃厚で、雑味がない。昆布のうま味成分と栄養が、ウニに格別の美味しさをもたらしてくれる。また、約30年にわたる研究と努力の積み重ねにより確立された養殖技術で、11月〜4月のシーズンに安定的な生産・出荷が可能で、潜水採取による天然物ウニ漁の漁期が終わった後も、新鮮で良質なエゾバフンウニを仕入れることができる。
無双では浜中産エゾバフンウニを殻付きのまま仕入れ、目の前でウニに包丁の先を入れ、パカッと2つに割り、塩水に殻ごとつけて洗うなど下処理した後、星型に5つの身が入った状態のものを提供している。殻を器にして贅沢に食べるのがウニの醍醐味。特別なウニならではの美味しさをダイレクトに味わえる。とろりとした口どけと上品なうま味は、一度食べたらほかのウニを食べられなくなってしまうほど。